テキサスホールデムは、数あるポーカーの種類のうち「フロップ・ポーカー」に分類されるポーカーの一種です。この記事では、テキサスホールデムポーカーのルールを初心者にもわかりやすく解説しています。
テキサスホールデムで初心者が知っておくべき基礎用語
まずはテキサスホールデムをプレイする上で初心者が知っておきたい基礎用語を紹介します。まずは言葉の意味だけをなんとなく知っておけばOKです。具体的に使用する局面は、ルール解説の中でも説明します。
テキサスホールデム基礎用語 | |
コミュニティカード | ホールカード |
フォールド | コール |
レイズ | チェック |
オールイン | – |
テキサスホールデム基礎用語①【コミュニティカード】
テキサスホールデムの基礎用語としてまず知っておいてほしいのがコミュニティカードです。コミュニティカードとは、テーブル上に配られる5枚のカードのことです。
このコミュニティカードは、ゲームに参加している全プレイヤーが利用することができ、自分のハンド(ホールカード)と組み合わせて、7枚のカードから最強の「手役」を作っていきます。※手役については後述します。
各プレイヤーごとに配られる2枚の手札と、コミュニティ・カードと呼ばれる全プレイヤー共通のカード(最大5枚)を組み合わせてプレーする。
テキサスホールデム基礎用語②【ホールカード】
続いてのテキサスホールデム基礎用語はホールカードです。ホールカードとは、プレイヤー一人ひとりに配られる2枚のカードです。
このカードは自分だけが使用することができ、他のプレイヤーに見せてはいけません。
テキサスホールデム基礎用語③【フォールド】
テキサスホールデム基礎用語③はフォールドです。フォールドとは降参してゲームから離脱することです。
それまでに支払った分のベット額は没収されてしまいます。しかしゲームに参加し続けると、どんどんベット額が膨れ上がっていく懸念があるため、「この勝負は勝てない」と踏んだタイミングでフォールドのアクションを取ることは有効です。
Foldという英単語は通常「折りたたむ」という意味ですが、転じて「降参する」という意味もあります。
フォールドを選択すべきタイミングとしては
- ホールカードが弱い時
- ベット額が一気に吊り上げられた時
などが挙げられます。
テキサスホールデム基礎用語④【コール】
続いてのテキサスホールデム基礎用語はコールです。コールとは、その時点での最低ベット金額と同額をベットすることです。ゲームに残り続けるための参加費のようなものですね。最低ベット金額は、ゲームが進展するにつれて徐々に高くなっていきます。
コールを選択すべきタイミングは、勝てる見込みがありそうなときです。
テキサスホールデム基礎用語⑤【レイズ】
テキサスホールデム基礎用語⑤はレイズです。レイズとはその時点での最低ベット金額よりも大きな金額をベットすることです。レイズ(Raise)という英語は「上げる」ということを意味します。
「今回は勝てる」という確信があり、一気に勝負を仕掛けたい時に有効です。強気のレイズを行うことで、他のプレイヤーが諦めて続々と「フォールド」の選択をすることもあります。
自分以外全員がゲームからいなくなれば、その時点で勝利は確定しますから、ハンドが弱い場合にも「レイズ」を駆使することで勝つことも可能です。
反面、強気のレイズに応戦してさらにレイズされる可能性などもあり、非常にリスクのあるアクションです。
テキサスホールデム基礎用語⑥【チェック】
テキサスホールデム基礎用語⑥はチェックです。チェックとは、上記のフォールド、コール、レイズのいずれのアクションも取らないことを指します。簡単に言えば「パス」のようなものですね。
チェックはいつでも使えるということはなく、そのラウンドにおいて誰もベットしていない時のみ利用可能です。全員が「チェック」をすれば、そのまま賭け額が吊り上がることなく、次のラウンドへと進行させることができます。
テキサスホールデム基礎用語⑦オールイン
最後にご紹介するテキサスホールデム基礎用語はオールインです。ゲーム中に著しいレイズによりベット額が跳ね上がり、自分の資金ではミニマムレイズ額に満たないもののゲームには参加し続けたいという場合、「オールイン」というアクションをとることができます。
これは文字通り、チップを全額一気にベットすることです。オールインのアクションをした場合は、その後のゲームの流れに関わらず、最終の「ショーダウン」までゲームに残り続けることができます。
なお、ミニマムレイズ額は「直前のベット額+その前のレイズ額」により計算されます。例えば直前のプレイヤーが70ドルをコールでベット、その前に40ドルのレイズがあったとすると、ミニマムレイズ額は110ドルということです。
テキサスホールデムのルール【ゲームの流れ】
続いて、テキサスホールデムの実際のゲームの流れを解説します。最後までゲームに残る場合、ベットするチャンスは最低でも4回です。ゲームが進むごとにどんどん賭け金額も上昇していくので、負けそうな時には早めにフォールドの判断をして損切りをすることも重要となります。
各プレイヤーのポジション決定
プレイヤーはまず中央を囲むように着席します。最初にすべきことは、ポジションを決定することです。
各プレイヤーに1枚ずつカードを配り、最も強いカードを持っているプレイヤーを「ディーラー」に決定。他のプレイヤーについても、以下のようにポジションが決定します。
- スモールブラインド:ディーラーの左に座るプレーヤー
- ビッグブラインド:スモールブラインドの左に座るプレーヤー
- アンダー・ザ・ガン:ビッグブラインドの左に座るプレーヤー
このポジションは非常に重要です。スモールブラインドかビッグブラインドになると、そのゲームで勝たない限りは必ず損失を背負うことになります。
2人のプレイヤーがブラインドベット
まずはスモールブラインドのプレイヤーはベットを行います。さらにスモールブラインドがベットをすると、さらにビッグブラインドはその2倍の金額をベットする必要があります。
この2つのベットをブラインドベットと言い、これは強制です。このブラインドベットが完了すると、各プレイヤーに2枚のカードが配布されます。
プリフロップラウンド
いよいよ本格的にゲームスタートです。まずはアンダー・ザ・ガンのプレイヤーが、フォールドorコールorレイズのいずれかのアクションを取ります。プリフロップラウンドにおいては、チェックのアクションは取れません。
コールの場合の最低ベット金額は、ビッグブラインドのベット額と同じです。誰かが「レイズ」のアクションを取った場合には、その金額が次からの最低コール金額となります。
フォールドしたプレイヤーを除き、ゲームに残るプレイヤー全員のベット額が同じになった時点で、プリフロップラウンドは終了です。
フロップラウンド
テーブルの中央にコミュニティカードが3枚配られます。ここで最初に配られたホールカードとの組み合わせから、自分が作れる役の可能性を考えつつ、アクションを取っていきます。
新たなラウンドに突入すると、誰かがレイズorコールのアクションを取らない限り、チェックのアクションも可能です。
このフロップラウンドも、フォールドしたプレイヤー以外全員のベット額が同じになった時点、もしくは全員が「チェック」を選択した時点で終了します。
4枚目のカードが配られるターンラウンド
続いて「ターンラウンド」としてコミュニティカードの4枚目が配られます。流れは前ラウンドと同じです。
フォールドしたプレイヤー以外全員のベット額が同じになるか、全員が「チェック」のアクションを取った場合にターンラウンドは終了します。
最後のカードが配られるリバーラウンド
いよいよ最後の5枚目のコミュニティカードが配られます。
残るプレイヤーがアクションを行い、全員のベット額が揃った時点で終了です。
ホールカードを公開するショーダウン
最終的にゲームに残ったプレイヤーが、自分のホールカードを公開します。そこでコミュニティカードとの組み合わせからそれぞれ最強の役を作りだし、一番役が強かったプレイヤーの勝利が決定です。
テキサスホールデムのルール【勝敗の決定方法】
続いてテキサスホールデムにおける勝敗の決定方法を解説します。
役(カード)の強さ
テキサスホールデムの役のカードを強い順に紹介します。
強さ | 役 |
1位 | ロイヤルフラッシュ |
2位 | ストレートフラッシュ |
3位 | フォーカード |
4位 | フルハウス |
5位 | フラッシュ |
6位 | ストレート |
7位 | スリーカード |
8位 | ツーペア |
9位 | ワンペア |
10位 | ハイカード |
1位「ロイヤルフラッシュ」
最強の役です。これは10、J、Q、K、Aを同じスート(マーク)で揃えた時の役となります。
2位「ストレートフラッシュ」
これは連続した5つの数字を同じスートで揃えることを指します。
3位「フォーカード」
これは同じ数字のカードが4枚含まれていることを指します。
4位「フルハウス」
これは同じ数字を3枚(スリーカード)と2枚(ワンペア)それぞれ揃えることを指します。
5位「フラッシュ」
5枚ともスートが同じになればフラッシュ成立となります。
6位「ストレート」
スートは問わず、数字が5つ連続していることを指します。大富豪における「階段」と同じようなイメージです。
7位「スリーカード」
同じ数字を3枚揃えることを指します。
8位「ツーペア」
画像のように、同じ数字の組み合わせが2つあるハンドを指します。実際のゲームにおいては、なかなか上位の役は揃わず、「ツーペア」くらいで勝てることも多くあります。
9位「ワンペア」
同じ数字の組み合わせが1つある状態を指します。
10位「ハイカード」
上記で紹介した役が1つも成立していない状態を指します。通称「ブタ」と呼ばれることもある役です。
役が同じときはカードの強さで勝負
もしも同じ役だった場合には、その役に含まれる最も強いカードで勝負をします。カードの強さは原則数字順です。ただ、Aが最強、2が最弱となります。
あらゆる組み合わせを考慮すると、テキサスホールデムにおいて最も弱い役は「ハイカードの9」です。
なお、スート間に優劣はありません。場中において最強のハンドが完全に重複した場合には、当該プレイヤー同士で賞金を山分けすることとなります。
賞金は勝者1名のプレイヤーが総取り
テキサスホールデムでは勝者である1名のプレイヤーがベットされたすべての金額を総取りすることになります。そのため参加プレイヤーが多ければ多いほど、またフォールドせずにゲームに残るプレイヤーが多ければ多いほど、お得な配当倍率となります。
負ける時はうまくフォールドしながら損失を抑えておけば、負け越していても十分に大きな利益を稼ぎ出すことも可能です。
テキサスホールデムをプレイする際の注意点
テキサスホールデムをリアルカジノでプレイする際には、注意すべきポイントがあります。
アクションの順番は絶対に守る
まずアクションの順番は絶対に守らなければなりません。相手に心理的な動揺をかけたいからという理由で、前のプレイヤーを飛ばして自分がアクションを起こした場合、そのアクションが無効になることはもちろん、退席を命じられる可能性もあります。
「ついつい気持ちが早まってしまう」という心情はよく理解できますが、じっと自分の順番を待つようにしましょう。
他のプレイヤーと会話は厳禁
プレイ中の他のプレイヤーとの会話は厳禁です。自分の持っているカードの情報が漏れてしまう可能性があるためです。
外国のカジノならば日本語で話してもバレないだろう、なんて思うかもしれませんが、ゲームに関係ない会話をした時点で退席を命じられることもあるので、注意してください。
もちろん、他のプレイヤーを挑発するような言葉もNGです。
アクションは発声優先
テキサスホールデムでアクションを起こす際は、どのアクションを起こすのかを宣言します。このアクションと発声が違った場合、優先されるのは発声です。
例えば「レイズ500ドル」と言いながら、300ドル分のチップを出したとすれば、「レイズ500ドル」というアクションが優先されるということです。
これは虚偽の発声により、他のプレイヤーに余計な心理的動揺を与えないようにするための決まりです。発声を間違ってしまうと自分の意図しない形でのベットとなる危険性もあるので、アクションを起こす際は十分注意してください。
ホールカードは絶対に見せない
ホールカードは絶対に他のプレイヤーに見せてはいけません。もちろんあなた自身が他のプレイヤーのホールカードを見るのもNGです。
隣近所など一部のプレイヤーにのみホールカードが見えてしまうと、全プレイヤーがフラットな環境のもとでプレイできなくなってしまいます。
万が一ホールカードが別のプレイヤーに見られてしまった場合、公平性を保つべく全プレイヤーに公開することが命じられることもあります。そうなると、自分が圧倒的に不利な状況に追い込まれるのは言うまでもありませんね。
レイズは1回で全額をベットする
最低ベット額が100ドルという状況において、あなたが200ドルをレイズでベットするとしましょう。この時、100ドルずつ小出しにチップを出すというのはNG。
始めに100ドル、次に100ドルという形でベットしようとすると、他のプレイヤーが「このアクションはコール」と勘違いする可能性があるためです。
「他のプレイヤーの心理に与える影響が見たいから」ということで、小出しにレイズする策をとる人もいるようですが、ルール違反となる可能性もあるので注意してください。
アクションに時間をかける牛歩戦術はNG
牛歩戦術とは、アクションの決定に長時間費やすことを指します。絶対に法案を通したくない時などに、国会でも牛のようにゆっくり投票箱まで歩いて時間をかけるというシーンがありますね。
アクションまでに時間をかけすぎていると、他のプレイヤーから早く決断するようにと催促を受けることもあります。この催促の後、さらに1分以上時間をかけると失格となる可能性もあるため、注意が必要です。
オンラインカジノのテキサスホールデムはちょっと違う
ここまで紹介してきたのは、リアルカジノでプレイするテキサスホールデムについてです。最近はベラジョンカジノを始めとしたオンラインカジノも多数誕生しており、わざわざ外国に行かなくても日常的にテキサスホールデムを楽しめるようになりました。
しかしオンラインカジノでプレイするテキサスホールデムは、微妙に異なる部分もあります。その相違点について、確認してみましょう。
プレイヤー同士の対戦ではなくVSディーラーのゲーム
最も大きな違いは、プレイヤー同士の対戦ではなく、ディーラーとの1対1の勝負ということです。
オンラインの場合、回線の乱れなどによりゲームが成立しない可能性もあるため、プレイヤー同士の対戦ができなくなっています。
プレイヤーに「レイズ」の選択肢はない
テキサスホールデムの醍醐味の1つが「レイズ」により、他のプレイヤーのフォールドを引き出すことです。しかしオンラインカジノの場合、「レイズ」の選択肢はありません。
プレイヤーは「コール」か「フォールド」を選択するのみです。またディーラーがフォールドするということもありません。
ディーラーやプレイヤーとの心理戦の要素はない
テキサスホールデムはプレイヤー同士の心理戦の要素も非常に多くあります。心理戦に勝てれば、ハンドがハイカードであっても、勝つことは十分可能です。
しかしディーラーとのオンラインの対戦においては、心理戦の要素は一切ありません。プレイヤー側がどれだけプレッシャーをかけようと思っても、ディーラーはルールに従って淡々とゲームを進行していくのみです。
役(カード)の強さで追加の配当をゲットできる
通常のテキサスホールデムは役(カード)の強さに関わらず、勝負に勝てば無条件に配当を獲得することができます。しかしオンラインカジノの場合は、役の強さにより勝利配当とは別枠の配当も獲得可能です。
例えばEvolution Gamingの『Casino Hold’em』というライブテーブルの場合は、以下の通りの配当を受け取ることができます。
フラッシュより強い役で勝利すれば、お得に配当が稼げるということですね。
テキサスホールデムポーカーのルールまとめ
テキサスホールデムポーカーはルールもそれなりに複雑ですが、非常に奥が深く面白いゲームです。とにもかくにも、まずは役の強さを覚えることが先決ですね。実際のゲームの流れについては、プレイしてみなければ分からないという部分もあります。
お金さえかけなければ、友人同士でテキサスホールデムをしても問題ありませんので、本記事で紹介したゲームのルールや流れを参考にして、是非プレイしてみてください。